雨に恋した華 〜君とずっと〜
ウェイターが立ち去った後、あたしは小首を傾げた。


「虹ちゃんの分は?」


「俺はイイんだ。それは、俺から紫へのプレゼントだから」


ニッコリと笑った虹ちゃんに釣られて、自然と微笑んでしまう。


「ありがとう。でも、可愛過ぎて食べるのが勿体ないよ……」


デザートを前にして躊躇していたあたしは、彼に一言断ってから記念に写メを撮った。


そして携帯をバッグに戻した時、あたしの様子を黙って見ていた虹ちゃんが口を開いた。


「それ、開けてみて」


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