雨に恋した華 〜君とずっと〜
「え?開けるの?」


キョトンとしながら訊き返すと、虹ちゃんが満面の笑みで頷いた。


不思議に思いながらも、ハート型のチョコレートにゆっくりと触れてみる。


それはよく見ると箱の形をしていて、壊れそうなくらいに繊細だった。


蓋になっている部分をそっと持って、崩さないように持ち上げると…


「嘘……」


空洞になっている中に入っていた物に驚いて、目を大きく見開いてしまった。


言葉を失ったあたしは、優しい笑みを浮かべたままの虹ちゃんを見つめた。


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