雨に恋した華 〜君とずっと〜
突然の事に驚きを隠せなくて、虹ちゃんの言葉を理解するのに時間が掛かってしまう。


しばらくしてからやっと嬉しさを抱き始めたあたしの瞳に、自然と涙が溢れ出していた。


「紫……。返事、聞かせてくれる?」


そんなの決まってるじゃない……


「はい……」


涙を堪えながら息を小さく吐いて、ゆっくりと口を開く。


「あたしでよかったら……虹ちゃんのお嫁さんにして下さい……」


途切れ途切れに言葉を紡いだあたしの頬に、一筋の涙が伝い落ちた。


< 205 / 211 >

この作品をシェア

pagetop