雨に恋した華 〜君とずっと〜
何とか覚悟を決めてテーブルに戻ると、村上さんが笑顔であたしの肩を抱き寄せた。


「紫ちゃん、気分でも悪かった?」


「いえ、ちょっと電話してただけです。すみません」


ニッコリと笑って答えた後、千鶴ちゃんの姿が見当たらない事に気付いた。


「ねぇ、千鶴ちゃんは?」


「さっき彼氏から電話が掛かって来て、ソッコーで仲直りして帰った……」


千晶は眉を下げ、申し訳なさそうに続けた。


「ごめん……。お姉ちゃん、かなり酔っ払ってたから……」


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