雨に恋した華 〜君とずっと〜
「あの、お金……」


「あぁ、イイよ。千鶴ちゃんが帰る時に多めに置いて行ってくれたから」


財布を出した千晶の手を、村上さんが制した。


「でも、足りないんじゃ……」


「本当にイイって。今日はこっちが乱入しちゃったんだし、それくらい俺が出すから。ね?」


戸惑っている千晶に、村上さんがニッコリと笑う。


「じゃあ、すみません……。ご馳走様です」


彼女は少しだけ戸惑いを残した表情で笑顔を作った後、彼にお礼を言ってから頭を下げた。


< 41 / 211 >

この作品をシェア

pagetop