雨に恋した華 〜君とずっと〜
「紫ちゃん、遅いよ〜!」


「ごめんなさい……」


待ちくたびれていたらしい村上さんに、眉をしかめながら笑みを向ける。


その時、虹ちゃんの視線から逃げるように顔を背けたのは、彼の腕に絡む森さんの姿に胸の奥が苦しくなったから…。


虹ちゃんのバカ……


いくら先輩でも、もう少し上手くかわせないの……?


あたし以外の女の人に、そんな風に触らせないでよ……


そう思ってしまう自分の心が酷く醜(ミニク)く感じて、虚しさと悲しさが込み上げて来た。


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