雨に恋した華 〜君とずっと〜
「ちょっ、紫ちゃん!」


「紫っ!!」


驚く村上さんの声に被せるように、虹ちゃんの言葉が重なったけど…


二人に止められる前に、必死にグラスの中身を飲み干した。


程なくして氷だけになったグラスを、勢いよくテーブルに置いた。


初めて飲んだアルコールは、すごく苦くて喉の奥まで熱くなって…


間違っても、美味しいと思えるような味じゃなかった。


あたし、何してるのかな……


自分の行動に虚しさを感じて、瞳に涙が溢れ出した。


< 50 / 211 >

この作品をシェア

pagetop