雨に恋した華 〜君とずっと〜
「もう限界……」


あたしの気持ちを代弁するように、村上さんがポツリと零した。


思わず隣にいる彼を見上げると、頭が重くてクラリと視界がぼやけた。


「紫ちゃん……」


あたしの視線の先にいる村上さんが、今どんな表情をしているのかよくわからない。


だけど、あたしの名前を呼ぶ声が切なげで、胸の奥が締め付けられる気がする。


それはきっと村上さんのせいじゃないとは思うけど、慣れないアルコールを一気に飲み干したせいか、頭がちっとも働かなかった。


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