雨に恋した華 〜君とずっと〜
込み上げて来る虚しさと寂しさを隠すように、胸元をギュッと握る。


ニットワンピースのザラザラとしたような手触りが、まるで今の自分(アタシ)の心の中みたい。


あたしが戸惑っている間に、虹ちゃんが何か言ってくれるんじゃないかって思っていた。


彼があたしとの関係をちゃんと話してくれたら、こんな気持ちにはならなかったかもしれないのに…。


もう、どうすればいいのかわからない。


虹ちゃんの隣にいる森さんは、彼の腕に体を寄せたまま興味津々の瞳を向けていた。


< 58 / 211 >

この作品をシェア

pagetop