雨に恋した華 〜君とずっと〜
「とりあえず、考えてみてくれる?」


そう言った村上さんの眼鏡の奥に潜む瞳が綺麗で、実は端正な顔立ちをしているんだって事に気付いた。


ほんの少しだけ跳ねた心臓を隠すように、咄嗟に口を開く。


「で……でも……」


「ん?」


「あたし、寂しがり屋だし、ワガママだし……」


「うん」


「すごく子供だし……」


並べているのは自分を卑下(ヒゲ)する言葉達ばかりだったけど、自分でも何を言っているのかもうよくわからなかった。


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