雨に恋した華 〜君とずっと〜
「あたし、帰らない……」


虹ちゃんの瞳を真っ直ぐ見つめたあたしは、喉元から声を振り絞ってキッパリと告げた。


一瞬だけ眉を寄せた彼も、あたしの瞳を真っ直ぐ見つめている。


何を言われても、絶対に帰らないんだから……


強気になって虹ちゃんを睨むと、彼がため息を落とした。


「わかった……」


冷たい声で落とされた言葉に、涙が零れてしまいそうになった。


結局、虹ちゃんはあたしの事なんかどうでも良かったんだって、改めて思い知らされた。


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