雨に恋した華 〜君とずっと〜
「お前、本当に帰るのか?」


眉をしかめた村上さんに、虹ちゃんが小さく頷いてコートを羽織った。


そして、必死になって引き止める森さんを制した虹ちゃんは、カバンを持った。


「……ったく。紫ちゃん、あんな奴放っといて飲もう。でもその前に、俺と付き合ってくれたら嬉しいんだけど」


村上さんの言葉なんて、もうまともに入って来なかった。


何もかもがどうでも良かった。


もう、どうなってもイイ……


全てに嫌気が差して、そんな風に思ってしまったんだ…。


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