雨に恋した華 〜君とずっと〜
静かな部屋の片隅で、ベッドが小さく軋んだ。


何を話せばいいのかわからないままだったけど、考えるよりも先に口を開いていた。


「……どうして、嘘ついたの……?」


「嘘?」


「今日の事……。『仕事だから無理』って言ったのに……会社の人達と飲みに……」


「あぁ、別に嘘はついてないよ。どうしても今日中に終わらせないといけない仕事があったのは、本当の事だし……」


小さくため息をついた虹ちゃんは、あたしの瞳を真っ直ぐ見つめながらそう説明した。


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