雨に恋した華 〜君とずっと〜
「だったら、仕事が終わってから連絡してくれたら良かったのに……」


そう言った後、唇を噛み締めながら顔を背けた。


きっと嫌な言い方だったと思うし、“理解の無い女”って思われてしまったかもしれない。


だけど…


蟠(ワダカマ)りが残った心がモヤモヤとして、言葉が止まらなかった。


「会社の人と飲む時間はあるのに、あたしと会う時間はないんだね……。森さんにあんな風にされて、本当は嬉しかったんでしょ……」


あたしは、気丈に振る舞いながら話した。


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