雨に恋した華 〜君とずっと〜
「違うって。仕事が終わったら、ちゃんと連絡するつもりだったよ」


「嘘……」


「嘘じゃない」


疑うあたしの言葉を否定した虹ちゃんは、あたしの体を向き直させた。


だけど…


あたしは、虹ちゃんを真っ直ぐ見る事が出来ない。


「仕事が終わって紫に連絡しようとしたけど、村上さん達に誘われて強く断れなかったんだ。それでも、店に入るまでずっと断ってたんだけどな……」


彼の最後の言葉を聞いて、居酒屋で鉢合わせした時の事を思い出した――。


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