雨に恋した華 〜君とずっと〜
「どうして……?」


そんなに長い休暇を貰うなんて、何か特別な事情があるとしか思えない。


返事を待っていると、虹ちゃんが意味深な笑みを浮かべた。


「紫と一緒に過ごす為」


「え……?」


「俺が就職してから、中々会えなくなってただろ?」


「うん……」


「紫に寂しい思いさせてるのもわかってたけど、仕事を蔑(ナイガシ)ろには出来ないから、我慢して貰うしかなかった……」


虹ちゃんはそこまで言って、申し訳なさそうに眉を寄せた。


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