雨に恋した華 〜君とずっと〜
「でも、紫の進学が決まった時ですらゆっくり会えなかったから、さすがに申し訳ないって思った……」


「虹ちゃん……」


「いくら仕事でも、紫に我慢させてばっかりなんじゃないかって、ずっと思ってたんだ……」


虹ちゃんはため息混じりの笑みを零し、あたしの頭を優しく撫でた。


「だからせめて、卒業祝いくらいはゆっくりしてやりたくてさ……。紫が短大に入ったらまたお互い忙しくなって中々会えなくなるだろうし、二人でゆっくり過ごすならこの時期しかないって思ってたんだ」


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