王子様の甘い誘惑【完】
「あれ?この子達、蓮さんの知り合いですか?」
「あぁ。俺の可愛い家政婦ちゃん」
か、可愛い家政婦ちゃん!?
それって嫌味……!?
「蓮先輩の家政婦って……――」
男の子はあたしとサヤは交互に見つけてわずかに首を傾げる。
「こっち」
すると、蓮はあたしの頭をポンッと叩きながら答えた。
恐る恐る蓮の顔を覗き込むと、バチッと目が合った。
うわっ……。もしかして……怒ってる?
その途端、蓮は不機嫌そうに眉間にしわを寄せた。
あたしが先に学校にきたことを怒っているのかもしれない。