王子様の甘い誘惑【完】
「お前も雇えば?でも、こいつは俺の家政婦だから、手出すなよ?」
すると、蓮はあたしの腕をグイッと引っ張って自分の体に引き寄せた。
「チョッ……――やめてよ……!!」
身をよじって抵抗したけど、蓮はあたしを離そうとしない。
抵抗すればするほど、蓮はむきになってあたしの体を押さえつける。
「当り前じゃないですか!蓮さんの家政婦なんてとりませんってば!!考えただけで恐ろしいですよ」
「分かってるならいいけど。で、お前はなんでこんなところにいんの?」
蓮の視線が坊主頭の男の子からあたしに向けられる。