王子様の甘い誘惑【完】
「別に何だっていいでしょ!それより、早く離してよ!!」
「答えになってない」
「あたしは何でもかんでも蓮に話さないといけないわけ!?」
「お前、なんでそんなに焦ってんの?」
「べ、別に焦ってなんかいないもん!!」
「だったら、こっち見ろよ」
肩に腕を回されて身動きが取れないあたし。
それを口の端をクイッと持ち上げて楽しそうに眺める蓮。
その意地悪な表情にまで胸がキュンっと高鳴ってしまう。
もう!顔が近いんだってば!!
蓮の言うとおり焦っているのは確かで。
心臓が激しく暴れてる。
「だから、離してって言ってるでしょ!?」
そう言った瞬間、唇に何かが触れた。