王子様の甘い誘惑【完】
それが何か、すぐには分からなくて。
でも、顔に触れたミルクティー色の髪に気付いて、頭の中が真っ白になった。
……あたし……キス、された?
「……――っ!!」
顔がボンっと赤くなって両手で頬を押さえる。
「俺には反抗しない方が身の為かもな?」
蓮はあたしの頭をポンッと叩くと、背中を向けて歩き出した。
まるで、何事もなかったかのように。
「あ、蓮さん!俺も行きます!!」
坊主頭の男の子はあたしを見てニヤけた表情を浮かべた後、蓮の後ろ姿を追いかけていった。