王子様の甘い誘惑【完】
「……で、これをユキがくれたのか?」
蓮が待つ空き教室に戻って事情を説明すると、蓮は袋を受け取りながら顔をしかめた。
「うん!ユキ先輩ってすごい優しいね!顔もカッコいいし、なんか王子様みたい!!」
「お前、ユキに惚れたのか?」
「へ?別にそんなんじゃないけど、ただ……――」
「ただなんだよ。早く言え」
「……何でもない」
あたしがそう答えると、蓮はチッと露骨に舌打ちしてあたしを睨んだ。