王子様の甘い誘惑【完】



「……で、これをユキがくれたのか?」


蓮が待つ空き教室に戻って事情を説明すると、蓮は袋を受け取りながら顔をしかめた。


「うん!ユキ先輩ってすごい優しいね!顔もカッコいいし、なんか王子様みたい!!」


「お前、ユキに惚れたのか?」


「へ?別にそんなんじゃないけど、ただ……――」

 
「ただなんだよ。早く言え」


「……何でもない」


あたしがそう答えると、蓮はチッと露骨に舌打ちしてあたしを睨んだ。



< 134 / 425 >

この作品をシェア

pagetop