王子様の甘い誘惑【完】
「……――ユキ先輩!!」


食堂に入ってキョロキョロと辺りを見渡してユキ先輩を探す。


日ごろの運動不足がたたって少し走っただけなのに息が上がる。


でも、すぐにユキ先輩を見つけることが出来た。



ユキ先輩は食堂の中でもひと際目立っていたから。


あたしは食堂の隅のテーブルに座っていたユキ先輩に駆け寄った。



「……――ユキ先輩!!」


「理生ちゃんか。どうしたの?そんなに慌てて」


「あの、もう食べ終わっちゃいましたか??」


「何だかよく分からないけど、とりあえず座りな?」


ゼェゼェと肩で息をしているあたしの姿を見てユキ先輩はクスッと笑う。


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