王子様の甘い誘惑【完】
「ちょっと……どいてってば!!」
ぐっすりと眠っている蓮の足から逃れようと、身をよじる。
ていうか、どうしてあたし蓮の部屋にいるの……?
あたしはリビングのソファで寝てたわけで……。
ということは、蓮があたしをここまで運んだとしか考えられない。
でも、どうして?何であたしをベッドまで運んだの?
「もーー……、ホントいい加減にしてよ!!こんなにくっついてたら寝られない!!」
そう叫んだ瞬間。
「理生、静かにしろ」
蓮は眉間に皺を寄せた後、あたしの腕をグイッと引っ張って自分のほうに引き寄せた。