王子様の甘い誘惑【完】
蓮はあたしの体を抱き枕がわりにギュッと抱きしめる。
……って、ちょっと待って!!無理無理無理!!
両手で蓮の胸を押し返した時、あることに気がついた。
……へ??なんか手に違和感が……――?
「……あ、あ、ありえない!!何で裸なのよ!!!」
上半身裸の蓮に気付いて、さっきよりも激しく抵抗する。
だけど、蓮の力は予想以上に強くて。
あっという間に、あたしの顔は蓮の胸にくっついた。
顔に感じる蓮の熱。
背中に回る長い腕。
大きい胸に耳を当てると、トクントクンと心臓が一定のリズムを刻んでいた。