王子様の甘い誘惑【完】
「俺が心配だったってどういう意味だよ」
蓮はスッと立ち上がるとツカツカとあたしの前まで歩みを進める。
「それは……怒って出ていったから事故にあってないかな……とか……そういう心配!!」
「お前は俺の親かよ」
ふんっと鼻で笑う蓮の顔は明らかに不機嫌そう。
「……何か怒ってる?」
って、聞くまでもなく怒ってるよね??
「別に怒ってねぇよ」
蓮は物凄い勢いであたしの横を通り過ぎてリビングから出ていく。
「二日酔いってすぐになおるものなんだ……?」
あたしは首を傾げながらポツリと呟いた。