王子様の甘い誘惑【完】
「理生ー!!おはよ~!!」
教室に入ると、サヤが笑顔でブンブンと手を振った。
「おはよ。朝から元気だね?」
「当たり前よ!!」
サヤはいつも元気いっぱいだけど、今日のテンションの高さは少しおかしい。
さっきから口元が緩みっぱなしだもん。
「……何かいいことでもあった??」
そう尋ねるとサヤは「いいことなんてもんじゃない!!」と興奮気味に話し始めた。
「さっきね、王子様を見つけちゃったの!!」
「お、王子様?どういうこと?」
「もうね、まさにリアルに王子様なの。茶色い髪がフワッて風になびく姿なんて……あーー……もうダメ!!」
サヤは頬に手を当てて、ウットリとした表情を浮かべる。