王子様の甘い誘惑【完】
「茶色い髪の毛に、ゴールドのピアス……ねぇ……」
確かユキ先輩も茶髪だし、ゴールドのピアスを付けている。
サヤが一目惚れする位の美貌を兼ね備えている王子様……
やっぱり思い付く限り、ユキ先輩しかいない。
でも、ユキ先輩は初対面のあたしにパンをくれるくらい優しい人。
サヤとユキ先輩が付き合うことになったら、それはそれで嬉しい気がする。
サヤが昨日見たって言うイケメンも、ユキ先輩だったのかも。
あたしのほうが蓮より早く学校にきたわけだし。
「……よーし。一肌脱ぐかぁ……!!」
あたしはシャープペンをクルクル回しながらボソッと呟いた。