王子様の甘い誘惑【完】
「へぇ~……。やっぱりお金持ちが多いのかぁ」
広い体育館にやってきたあたしは、パイプ椅子に座りながら周りを見渡した。
身なりのきちんとした生徒達の中にいると、ほんのちょっとだけ肩身が狭い。
だけど、みんながみんなお金持ちってわけじゃないもん。
第一印象は大切だし、入学式ではそれなりに決めてくるもんだ。
試験に受かって学費さえ払えば、誰だって入学できるわけだし!!
うんうん、と頷いて自分を納得させていると、
「なんか、暇じゃない?」
突然、隣に座っていた髪の長い女の子が話し掛けてきた。