王子様の甘い誘惑【完】
第八章 愛おしい人
眩しい光が顔にぶつかって、重たい瞼を持ち上げる。
「んっ……朝……?」
うつ伏せの態勢で眠っていたあたし。
顔を横に向けると、スヤスヤと気持ちよさそうに眠っている蓮の姿が飛び込んできた。
……無防備な顔しちゃって……。
口をしっかりと閉じてヨダレ一つ垂らさずに眠る蓮。
その綺麗な寝顔はちょっぴり嫌味かも。
「あたし……あのまま寝ちゃったんだ」
蓮に襲われたらどうしようなんて心配してたけど、結局睡魔には勝てなかったみたい。
自分が案外図太い神経の持ち主だと今初めて知った。