王子様の甘い誘惑【完】
「あーーー!!!もう!!遅刻だよ、遅刻!!」
結局、あとチョットあとチョット、と思っているうちに寝過したあたし。
もうすぐ1限が始まる時間。
慌ててお弁当を作って身支度を済ませているあたしの横で、蓮は呑気にソファに座ってコーヒーを飲んでいる。
「蓮も遅刻だよ!!早く用意しなきゃ!!」
「どうせもう遅刻決定だし、焦るだけ無駄だろ」
まぁ、確かに言われてみればそうだけど……。
「2限に間に合うようにいけばいいじゃん」
「……まぁ……そうだね」
あたしはうまく丸めこまれて、蓮の隣に腰を下ろした。