王子様の甘い誘惑【完】
「……本当に可愛いって思ってくれてる?」
そう聞き返すと、蓮は口の端をクイッと持ち上げた。
「思ってる。意外にでかい胸も他の男には見せたくないね」
「……ちょっ……――!!」
「じゃあな」
慌てるあたしのおでこにチュッとキスをすると、蓮は何食わぬ顔であたしに背中を向けて歩き出した。
「……も~……どうしてそういうこと平気で言うかなぁ……」
あたしは力なくその場に座り込むと、火照る顔を両手で抑え込んだ。