王子様の甘い誘惑【完】
昼休みになると、あたしとサヤは昨日と同じ席に座って、ユキ先輩がやってくるのを待った。
「ユキ先輩、今日も来るかな?」
「きっと来るよ」
落ち着かない様子のサヤ。
「サヤ、あのさ……――」
あたしはそんなサヤに昨日の出来事を報告した。
「嘘!?蓮先輩と付き合い始めたの!?」
「うん。何かこういうこと報告するのって照れ臭いねっ」
顔を引き締めようとすればするほど、どんどん緩んでしまう。
サヤは「おめでとう!!」と自分のことのように喜んでくれた。