王子様の甘い誘惑【完】
「もし、ユキ先輩が理生のことが好きでも、あたしに気を遣わないで?そういうの慣れてるし」
「サヤ……?」
「あたしさぁ、昔から好きになった人とは何故か付き合えないんだよね。好きになった人には彼女がいたり、他に好きな子がいたりして」
サヤはハァと小さく溜息をついた後、ニコッと笑った。
「あ、ごめん。何か空気重たくなったね。とにかく、ユキ先輩を落とせるように頑張ります!!あたし何か飲み物買ってくる」
「あっ……うん」
サヤはそう言うと、スッと椅子から立ち上がって自販機に向かって歩きだした。