王子様の甘い誘惑【完】

「……ユキ先輩……かぁ」


そういえば、ユキ先輩って付き合ってる人とかいるのかな?


ユキ先輩とサヤのこと、本気で応援してあげたい。


蓮はユキ先輩と友達だし、話せば協力してくれるかな?


ん~……。でも蓮のことだし「めんどくさい」とか言いそう。


あれこれ考えていると、「理生ちゃん」と誰かに名前を呼ばれた。



「ユキ先輩……」


タイミング良く現れた先輩は、あたしの前の席に座りながら首を傾げる。


「どうしたの。ボーっとして」


サヤが王子様っていうのも分かる。


優しく微笑むその表情は王子様みたいだもんね。


……って、何で先輩の顔に見惚れてんの。


ハッと我に返ったあたしは、キョロキョロと辺りを見渡した。

< 251 / 425 >

この作品をシェア

pagetop