王子様の甘い誘惑【完】
「いないよ」
よし!!第一関門突破!!
えっと……次は……
「じゃあ、好きな人……いますか?」
もしいなければ、サヤのチャンスはグンッと広がるはず。
もしいたとしても、その好きな人がサヤかもしれないし。
あたしがそう聞くと、先輩はテーブルに肘をついてジッとあたしを見つめた。
「それって、理生ちゃんが知りたくて聞いてるの?それとも誰かに聞いてほしいって頼まれた?」
「……それは……」
サヤに頼まれたわけじゃない。
だけど、サヤの為に聞いているわけで……。
だからといってそれを先輩に伝えるわけにもいかないし……。