王子様の甘い誘惑【完】
「入学式の時に初めて愛沢さんを見て好きになりました!!俺と付き合ってください!!」
裏庭に着いた矢先の告白。
あたしは目をパチクリとして、呆然とその場に立ち尽くした。
「えっと……あの……」
あたしのことが……好き?付き合う?
あまりに突然のことに、何て言ったらいいのか戸惑う。
「俺のこと知らないと思うけど、これから知ってもらえればいいから!」
「あ……ううん、違くて……」
「俺ってさ、こう見えても案外一途だし。連絡もマメだよ?」
「え……そうじゃなくて……」
「大丈夫。そんな心配しないでよ。絶対に浮気しないって約束できるからさ!!」
って、そうじゃなくて……!!
一方的に捲し立てるように話し続ける男の子に、あたしは口を開くタイミングを逃してしまった。