王子様の甘い誘惑【完】
「あたし別に喜んでついてきた覚えはないよ??」
「そう?俺には喜んでいるように見えたけど」
「あのねぇ……――!!」
文句の一つや二つ言ってやろうと息を吸い込んだ時。
「テメェ、誰に向かってそんな口聞いてんだよ」
その声と同時に目の前に立っていた男の子の姿が視界から消えた。
「……え?」
「俺の女に何か用?」
男の子の体を突き飛ばしたのは蓮だった。
男の子は尻餅をついて、蓮の登場に目を見開いて驚きを露わにしている。