王子様の甘い誘惑【完】
「お前、あんな奴にバカにされんじゃねぇよ」
「……別にバカにされてないもん」
「バカにされてただろ?喜んでホイホイついてきた女みたいに言われやがって。このバカ!」
蓮は眉間に皺を寄せながらあたしを睨む。
だって、しょうがないじゃん。
呼び出されたからついていっただけで、やましい気持ちがあったわけじゃないもん。
ましてや喜んでついていくわけない。
それなのに……バカ呼ばわりして……。
こっちの言い分も全然聞いてくれないし……!
ちょっとくらい、あたしの話を聞いてくれたっていいのに……!!
「ひどいよ……。別に喜んでたわけじゃないもん!!」
悔しくなってギュッと唇を噛むと、蓮はハァと息を吐いた後あたしの体を自分に引き寄せた。