王子様の甘い誘惑【完】
隣に座ってるってことは、同じクラスの子なのかも。
こういうのって、最初が肝心なんだよね!!
あたしはニコッと笑いながら大きく頷いた。
「うん!校長の話長いもんね~?」
「そうそう。いい加減にしてほしいよ」
初対面ながら、あたしは女の子になんとも言えない親近感を覚えた。
それが何でかは自分でもよく分からない。
それはきっとお化粧の仕方が似ているとか、話し方がストレートで気持ちいいとか。
そういうことなのかも。
でも、人間はフィーリングが合わないとうまくいかないもの。
「なんかさぁ、あの校長、息臭そうじゃない?」
「……ぶっ!あたしもずっと思ってた!!」
やっぱりこの子とは仲良くなれそう!!
あたしと女の子は式の間中、小声でおしゃべりを続けた。
そんなあたし達を、体育館の隅のパイプ椅子に座っていた先生達はずっと横目で睨み続けていた。