王子様の甘い誘惑【完】

薄っぺらい紙を持つ手がプルプルと小刻みに震える。


……あれっ?あたしって、箱入り娘だったよね?


貧乏だけど、愛されてたよね?


今朝、「3年間、頑張って!!」って見送ってくれた両親のあの笑顔は一体何だったの?


この男にあたしを売ったの……?まさか……そんな……。


あたしは、半信半疑で手元の契約書の内容に目を移した。

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