王子様の甘い誘惑【完】
「お前は、俺のこと何も信じてないわけ?」
「そういうんじゃないよ!」
「愛子には会った。だけど、理生が心配するようなことは何もない」
「……だったら、証拠見せてよ」
「証拠ってなんだよ」
「蓮があたしを好きだって、証拠」
自分でも、何を言っているのかよく分からなくて。
ただ胸の中のモヤモヤを少しでも晴らしたくて。
「なら、見せてやるよ。俺がお前を好きだって証拠を」
すると、蓮はあたしの腕をガシッと掴んで歩きだした。