王子様の甘い誘惑【完】
第十二章 それぞれの想い
蓮とはあれから一週間、ほとんど口をきかなかった。
だけど、寝るときとご飯を食べる時は、いつも一緒。
蓮は必ずあたしと一緒に夕飯を食べてくれた。
だけど、一緒のベッドで眠るのに、蓮に触れることもできない。
蓮が触れてくれることもない。
でも、その時間だけは蓮と一緒にいられる。
それだけが、あたしの唯一の救いだった。