王子様の甘い誘惑【完】
「さぁ?何してたと思う?」
蓮の前に歩み寄って、ユキ先輩は挑発的な言葉であおる。
ユキ先輩って……ずっとMかも思ってたけど、案外Sだったり……?
「なにって、なんだよ。理生に今度何かしたら、許さねぇぞ」
「分かってるよ。そのかわり、理生ちゃんをまた泣かせたら、俺も許さないから」
「もう泣かせねぇよ。つーか、理生。そんなとこに突っ立ってないでこっちこいよ」
もう、何のわだかまりもない。
モヤモヤした気持ちはいつの間にか消え去っていた。
「うん!!」
蓮の元に駆け寄ると、蓮はあたしの肩を優しく抱いた。