王子様の甘い誘惑【完】
このまま、全てを捧げたくなる。
身も心も全て……。
それに、蓮の全てを捧げてほしくなる。
蓮が欲しくなる。
誘惑するみたいなその瞳は反則だよ……。
「ユキ、話はまた後でな。俺らもう帰るわ」
「ああ。また明日。理生ちゃん、またね?」
「は、はい!!って、ちょっと、蓮!!待ってよ……!!」
蓮は急に捲し立てるように喋ると、あたしの手を掴んでグイグイと引っ張りながら歩きだした。