王子様の甘い誘惑【完】
最終章 王子様の甘い誘惑
「……――蓮。蓮ってば!!急にどうしたの!?」
物凄い勢いで歩き続ける蓮についていくのも、もう限界。
息も切れるし足もガクガクしてきちゃった。
足の長さが違うんだから、当り前だけど。
すると、突然、蓮がその場に立ち止まった。
「……自覚、ないのか?」
「自覚って……なんの?」
まさか、蓮と付き合っていながらユキ先輩と一緒に屋上にいたこと?
ユキ先輩があたしに好意を持ってるって知ってるのに、ふたりっきりで会ったりしたから?