王子様の甘い誘惑【完】
―――………
23時。あたしは、ベッドの中で漏れそうになる声を必死で堪えていた。
「んんっ……。やっ……」
お風呂に入って、今まで一度も身につけたことのなかった勝負下着をつけて。
気合十分だったけど、やっぱりいざってなると少しだけ怖い。
それ以上に、自分が自分じゃなくなってしまうようで恐かった。
なんでこんなおかしな声が出ちゃうんだろ……――。
「声、我慢すんなって」
「だってッ……変な声だから……恥ずかしい……」
「変じゃねぇよ。理生の声、すげぇ興奮する」
蓮は耳元で甘く囁くと、ペロッとあたしの耳を舐めた。