王子様の甘い誘惑【完】
「アハハ!笑っちゃいけないって思えば思うほど深みにはまるよねー!!」
あたしと女の子は体育館を出ると、お腹を抱えて笑いあった。
「分かる分かる!あっ、名前なんて言うの?」
「三上(みかみ)サヤ。南中からきたの」
「あたしは、愛沢理生(あいざわりお)。第一中からきたの」
「……ん?第一中ってどこ?この辺りじゃないよね?」
「うん。電車で1時間半くらいかかるから」
あたしがそう答えると、サヤは「えーっ!」と大きな声を上げた。