王子様の甘い誘惑【完】
「ありがとうございました~!!」
威勢のいい声に見送られて店を出ると、蓮は明らかに不機嫌モード全開だった。
多分、自分の意見が通らなかったから。
「お前、俺に何を食わすつもりだよ」
「別に何でもいいでしょ?作るのはあたしなんだから」
「お前、自分の立場がまだ分かってないみたいだな」
「……――!!」
ニヤッと口の端を持ち上げて笑った蓮に気付いて、思わず後ずさる。
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