王子様の甘い誘惑【完】
どうしようかと考え込んでいると、蓮は自分のベッドの上をポンポンっと叩いた。
「ここで寝ればいいだろ」
それはあまりにも意外な言葉で。
「でもあたしがそこで寝たら、蓮の寝る場所なくなっちゃうよ?」
わざわざあたしにベッドを譲ってくれようとしている蓮。
やっぱり、案外いい奴なのかも。
でも、人のベッドに寝るのも少しだけ抵抗がある。
「やっぱり、あたしソファで寝るから。蓮はベッドで寝て?」
そう言うと、蓮は「ハァ?」と眉間に皺を寄せてあたしを睨んだ。